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2005.01.06

世界遺産:ワットプーへ

このチャムパサックから南へ約8キロのところに世界遺産に指定されたヒンドゥーの遺跡 ワットプーがある。

ママチャリを借りて道を進むと、米麺やらライスペーパーを干す庭が連なっている。この辺はこの生産が盛んなようだ。
すれ違う子供達は学校へ行く時間のようだ。大きな大人用の自転車を上手にのりこなして、「サバイディー」とはにかみながら手をふってくる。
ラオスでは、こっちが手を振らなくても向こうから手を振ってくる。こういう光景は最近、出くわしていなかった。自分に対して手を振られているのだとはっと気が付いて慌てて、サバイディー!といいながら私も手を振る。
ワットプーまで、一本道。鋪装はされているが、日影が少ない。汗をかきながら自転車をこぐ。チャリはもちろん。スピードなんか出ない。

クメール族のチェンラがここを征服する前からワットプーの建設は始まったといわれているが、できあがったのはワットプーもアンコールワットと同時期らしい。
遺跡の入り口はなんだか大学の正門みたいなゲートが作られており、そこでお金を払う。横には日本の援助で建てられたここらへんじゃ珍しいコンクリでできた発掘物の展示場所があるが、これはあとで見ることにする。

右手にバライがふたつ。大半は干上がっているが。
それからふたつのバライと平行に南宮殿と北宮殿。半分が崩れかかっているので、外から眺めることしかできないが、相当大きな宮殿だったと思われる。きっとここにもレリーフが入っていたんだろうが。
その先は現在はイタリア政府の協力で修復が進められている石畳だ。なんとものどかな修復風景である。修復するのはこの石畳だけなんだろうか…?。

その先は徐々に石段の階段を登る。結構急な階段になってくる。
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階段の脇にはモクレンのような白い、ジャスミンのような香りのよい花をつけた木が並んでいる。落ちた花をひろって匂いをかぐ。もう花の盛りは過ぎたようだが、春を思わせる香りだった。この花の名はドークチャンパー、英語名ブルメリアというらしい。

登りきったところにようやく本殿が現れた。
0107watpu_honden

物売りの女の子たちはお供えの花を売っている。ラオス人らしい観光客はそこでもう靴を脱いで本殿に入って行った。
本殿前からの眺めは最高だ。広いメコンの大地が広がり、昔も今も変わらないだろう風景。ぼーんやりかすんだように見えて気持ちがいい。
0107watpu_view

本殿も奥の方は崩れかかり、中は青天井になっているところもあるが、手前のデバター(女神)などのレリーフはしっかり残っていた。入り口の上にも彫り深く残っている。
0107watpu1

0107watpu2

中には、あとで宗教が変わったときに据え付けられた仏像が鎮座しているのだが、なんともこのお顔が一言で言うなら「ファニーフェース」。こんなお顔はみたことがないが、思わず楽しくなってしまった。
0107watpu_butsu

裏にもいくつか石像がある。水が出てくる岩もある。山の裏手も岩でできている。巨大な岩、車が4、5台分ぐらいの岩が転がっている。
この山は岩山なのか。憶測でしかないけど、この本殿までの道を作った石はこの山のものかもしれない。(本殿は石質が違うと思われる)
何度も本殿を見て、それからまた眺めを楽しんで、を繰り返した。
ついつい、既にアンコールワットや、バガン(ミャンマー)など有名な巨大遺跡をみてしまっていると、どうしてもあの強烈なイメージが焼き付いてしまって苦労する。
ここは確かに残っているものも損傷が激しく、規模は小さい。世界遺産クラスでいえばB級だと思う(失礼)。
しかし、このワットプーの静かに山の中にたたずんでいるさまも、本殿からの眺めもすばらしい。そして人が少なくて、静かに楽しめるのもよい。

ようやく山から降り、入り口にあった展示場所に寄ってみた。(撮影禁止)
思いのほか、展示数は多く興味深かった。掘り出された仏像やヒンズーの神様、デバターがたくさんある。元は本殿にあったはずのリンガもある。
それほど大きくないが、コブラの光背をつけた仏像が非常にカッコ良くしばしみとれた。ポストカードあれば欲しいくらいだった。
これは去年タイのシーサッチャナーライで見た小さな仏像のコブラの光背とデザインが似ていた。宗教が変わるころの融合の結果なのかなあと思う。
(家に帰って調べました。タイのワット・プラシーラタナ・マハタートで。これは数行ではあるが『見仏記3』にもいとうせいこう氏が記述してる!)

個人的には自然もすきだが、遺跡を見る方がより好きだ。今日は今回の旅で一番自分の旅らしいなあと思った。
来た道をもどると、行きに学校へ向かっていた子供が下校する時刻だった。(1/22記)

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