« 食べてはいけないもの読んではいけないもの | Main | トルコ料理を満喫 »

2005.10.26

読んではいけない:続

食事が制限されている中で読んではいけないもの、近寄ってはいけない場所などは多々。
コンビニの弁当も、パンもよく見たら油が多く、食べていいリストに入る食品はけっこう少ないのだなあと思い知らされます。お粥とうどんも飽きるので、リゾットなどを作って目先を変えた弁当を持参するなど一苦労。

以前、仕事関係でカメラマンさんのマンションにあるハウススタジオによく出入りしていた。
撮影が終わって私たちが出ようとしている頃となるとだいたい夕方なのだがドアをあけると、マンションの吹き抜けを通してとあるご家庭のおいしそうな夕餉のにおいが立ち昇ってくるのだった。
それも毎回毎回違う料理。カメラマンさん曰く、毎日欠かさずいいにおいが立ち昇ってくるのだという。春先ならタケノコらしい匂いなど。私たちは口々に「あー今日は肉じゃがっぽいですなー」「この家の人は幸せだなー」と言い合いながら引き上げていた。ほんとに幸せですよ、このオウチの人。
今、こんなところに仕事に行かなくて本当によかったと思う。

さて、こういう時の禁断の書。

4167631032
センセイの鞄
川上 弘美

私も居酒屋が好きなのだが、ツキコさんとセンセイのつまみは何気ないものでありながらいてもたってもいられない、いますぐ居酒屋に行きたくなる力をもつ。酒はワタシの好みとちょっと違って日本酒が多いが、この本を読むと酒に酔いたくなる。
親しい人と静かに今日のこととかしゃべりながら飲んで、「んじゃまた」と軒先で別れたい。

4101064040
火宅の人  
檀 一雄

檀一雄を読むと、
「料理のイロハなんてどうでもいいっ、とにかく焼きたいっ!煮炊きをしたいっ!」
という気分になる。この本はメシがメインなわけではないのだが、料理をする描写が多々でてくる。それが実に豪快。両足ふんばって重い鍋を持ちたくなる。
この人はまた世界のいろんなところで料理をしているようで、そのレパートリーも広い。
ポルトガルで買ってきた魚を焼いたりするのは想像しただけで楽しそうだ。
『檀流クッキング』はそれは豪快な料理の数々のオンパレードなんだが、どちらかというと小説に出てくるほうが想像力をかきたてられて好きだ。

4167269015 サイゴンから来た妻と娘
近藤 紘一

ベトナム料理を食べずにはいられなくなる。庶民の食卓なのだが、噂に違わずベトナムは庶民まで食べ物に対して並々ならぬ執着があることがわかる。そして食材が豊富。妻が日本にきて、苦心してベトナム食を作る、食材を求めるくだりには心底敬服する。兎を飼い、鳩をつかまえる。
若かりし頃、ベトナムの市場で魚、肉の殺りく現場を見て、嗚呼、日本人たる私はなんて軟弱なんだろうと打ちのめされたことがある。かなわない、と。ワタシなんかは胃袋だけは一人前だが、作れてこそ、なのかなと思う。
このシリーズを読むと、軟弱な自分を思い知らされる。

そのほか。
江国香織「ホリーガーデン」は不思議ちゃんの主人公の女性の失恋、癒し、再生がテーマでそのへんはアンニュイすぎるのだが、この主人公がやたらうまげな夕餉と弁当をつくる。しかも夕餉はほぼ毎日。そのディテールが細かい。

椎名誠「哀愁の街に霧が降るのだ」は、長編小説で男どもの6畳一間同居生活の顛末。その中で重要な位置を占めるのが「メシ」。実に貧乏ながら実にさまざまなものを飲み、食べている。その中でのぜいたく品「カツどん」。「とんちゃん」のカツどんというくだりで、そこで猛烈にカツどんが食べたくてたまらなくなる。描写がキツイ。

どれも読み返さなくても食への衝動をすぐに思い出す本ばかり。

|

« 食べてはいけないもの読んではいけないもの | Main | トルコ料理を満喫 »

Comments

食べる側でも作る側でも、食を追い求めるって
いうのは、楽しく生を過ごすコツかもしれない。
なんて思いました。ウンウン

Posted by: えひ山 | 2005.10.27 at 23:24

食は人を計るバロメーターともいいますしね。

飲みに行くときも呑み食い主義の合う奴と行くと楽しいもんだし。。。

とはいえ、いろんなものを食べることができる、その環境に感謝しなくちゃいけませんな。

Posted by: 本人です | 2005.10.29 at 19:06

ほんと、そのとおりですな。。。

Posted by: えひ山 | 2005.10.30 at 01:14

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 食べてはいけないもの読んではいけないもの | Main | トルコ料理を満喫 »